かとう内科並木通り診療所

岡山市並木町にある診療所です。「医療の原点はやさしさである」をモットーに日々親切、丁寧、やさしい医療の提供に努めています。

カテゴリ: 栄養

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みなさん、こんにちは。
前回に引き続いて骨を作る栄養素についてお話します。

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骨と骨粗しょう症


丈夫な骨づくりのための食事

イマココ
骨をつくる栄養素

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骨をつくる大事な栄養素の2つ目はビタミンDです。
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ビタミンDにはカルシウムの吸収を助ける作用があるので積極的に摂りたい栄養素です。

魚やキノコ類、卵に多く、野菜や穀類、果物などにはほとんど含まれていません。

肉類にも含まれてはいますが魚ほどではありませんので、ビタミンDを取るには魚がおススメです。

また、ビタミンD は、日光を浴びることによって体内で作ることができます。

最近はコロナ渦で、外出する機会が減ったり、紫外線対策として日焼け止めをぬったりするなどで、体内で作られるビタミンDの量が減りつつあります。

日光を浴びる時間の目安は、夏に木陰で10分程度、冬では1時間ほどが良いとされています。

冬場は陽射しが弱いので食事からのビタミンDを摂取していくことが大切です。
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3つ目の栄養素はビタミンKです。

ビタミンKにはカルシウムを骨に取り込み、骨の形成を促す作用があります。

緑黄色野菜や納豆に多く含まれているほか、腸内細菌からも作られるので通常の食事をしていれば不足することはあまりありません。

ビタミンKは血液が固まる生体反応に関与するので、血液を固まりにくくさせる薬を使用している方は摂り過ぎに注意する必要があります。

お食事と飲まれている薬との相性が気になる方は、主治医に確認するようにしてください。
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3回にわたってご紹介してきた骨粗しょう症とその予防のための食事についてまとめます。
骨粗しょう症は高齢者だけでなく若い世代の方も注意が必要な病気です。
骨粗しょう症の予防のために食事は大切であり、1日3回主食・主菜・副菜のバランスが取れた食事をとることが重要です。
それぞれの献立に適した、骨を作るために必要な栄養素カルシウム・ビタミンD・ビタミンKを含む食材もご紹介しました。
カルシウムは乳製品だけでなく魚介類、大豆製品、野菜にも含まれており、またビタミンDやビタミンKは野菜やきのこ類に含まれています。

ひとつの栄養素だけを摂るのではなく、色々な食品を偏りなく摂る事が骨を丈夫にするために必要なのです。

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最後に色々な食品を取り入れる合言葉をご紹介します。

「さあ、にぎやかにいただく」

これは10の食品群の頭文字をとったもので、それぞれが示す食品群を説明します。

「さ」は魚です。
魚には骨や筋肉を作るたんぱく質だけでなくカルシウムやビタミンDも含まれます。

「あ」は油です。
摂りすぎには注意が必要ですが、適度な油脂は体の細胞を作るのに必要です。

「に」はお肉です。
良質なたんぱく質源です。

「ぎ」は牛乳・乳製品です。
カルシウムの含有率が高く、吸収率も良いものです。

「や」は野菜。
ビタミンやミネラル、食物繊維などが摂れて、体の調子を整えてくれます。

「か」は海藻・きのこです。
ひじきやわかめにはカルシウム、干ししいたけやきくらげにはビタミンDが豊富です。

「い」はお芋。
炭水化物でエネルギー源になります。

「た」は卵。
たんぱく質がとれ、また料理としても使いやすいです。

「だ」は大豆と大豆製品。
たんぱく質源であり、またカルシウムも摂る事ができます。

「く」は果物。
ミネラルやビタミン、食物繊維もとれます。

「さあにぎやかにいただく」を合言葉に様々な食品をとって骨を丈夫にしていきましょう。

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みなさん、こんにちは。
前回は骨の働きと骨粗しょう症がどんな病気かを簡単に説明しました。
今回は丈夫な骨づくりのための食事についてお話します。

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骨と骨粗しょう症


イマココ
丈夫な骨づくりのための食事

骨をつくる栄養素 (後日公開)

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では、骨を丈夫にするための食事について考えましょう。

骨といったらカルシウムと思うかもしれませんがカルシウムだけをとっても骨は強くなりません。

カルシウムも大切ですが、カルシウムを効率よく体に吸収していくために体に必要なエネルギーやたんぱく質が取れていることが大前提です。

なので、まずは1日に3回バランスの良い食事を摂ることが基本となります。

食事をきちんととったうえで、骨に良い栄養素を積極的にとっていきます。

 

バランスの良い食事とは、主食(ごはん・パン・麺類など)と主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、そして副菜(野菜・きのこ・海藻類など)がそろった食事のことです。

主食は炭水化物を多く含む食品で、体を動かすエネルギー源になります。

炭水化物を控えめにする方がいますが、炭水化物が不足すると体はたんぱく質をエネルギー源として利用してしまい、たんぱく質が本来の役割をはたせなくなってしまうので、適量の炭水化物をとるようにしましょう。

主菜から得られるたんぱく質は骨や筋肉を作る働きがあります。

骨の質に影響する成分であるコラーゲンはたんぱく質でできており、骨の強度を支えるのに重要な役割をはたします。

また、筋肉量を維持するためにもたんぱく質をとる必要があります。

毎食手のひらにのるくらいのたんぱく質をとっていきましょう。

副菜は野菜・きのこ・海藻類などのビタミン・ミネラルが豊富に含まれる食品からなり、主に体の調子を整えてくれます。

毎食12品は摂るようにしましょう。


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次に、骨を作るのに必要な栄養素について紹介していきます。

まずは何といってもカルシウムです。


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骨粗しょう症の予防ガイドラインでは1日に700mgは摂るように勧められています。

カルシウムは骨の材料となる栄養素ですが、どんな食品にも含まれているというわけではないので、心がけてとらないと不足がちになります。

令和1年度の国民健康栄養調査によると、1日に50代では472mg60代は536mg70代は579mgと、若い人よりもしっかりとカルシウムをとっていることがわかります。

それでも、骨粗しょう症予防の推奨摂取量700mgには100200mgほど足りていないのが現状です。


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カルシウムを多く含む食品には乳製品、大豆製品、魚介類、野菜・海藻類があります。
この中でカルシウムの吸収率が最もよく、また含有量も多いのは乳製品です。
牛乳コップ1杯に220mg、スライスチーズ1枚に106mg、ヨーグルト100gに120mg程度含まれています。
ただし、チーズには塩分も多いので摂り過ぎには要注意です。
魚介類では、シシャモや鯖缶など骨まで食べることができる食品はカルシウムの含有量が高いです。
野菜や海藻類はカルシウムの含有量や吸収率はそれほど高くありませんが、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれるのでしっかり摂りたい食品です。

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こんにちは。管理栄養士の山本です。

先日、地域のみなさまに「骨粗しょう症」についてお話しました。

骨粗しょう症は高齢になってから発症されることが多く、高齢化の進む日本では患者数が年々増えています。

しかし、骨粗しょう症は目立った自覚症状がほとんどなく、ある日突然思いもよらぬ形で骨折してしまうなど生活に影響をおよぼす可能性があります。

今回は骨粗しょう症を予防し丈夫な骨をつくるためのお話をしていきたいと思います。

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イマココ
骨と骨粗しょう症

丈夫な骨づくりのための食事 (後日公開)


骨をつくる栄養素 (後日公開)

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骨って体の中でどんな働きをしているか知っていますか?

骨は体を支えるだけでなく、内臓を保護したり血液を作ったり、あるいはカルシウムの貯蔵庫として機能しています。
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そしてこのような大事な働きを持つ骨の丈夫さは70%が量で、30%が質で決まると言われています。

骨の量が減少したり骨の質が悪くなったりすると、つまずいて手やひじをつく、クシャミをするなど、ちょっとした衝撃で骨折しやすくなってしまいます。

この状態を指して骨粗しょう症と呼びます。

骨折してしまうと、ひどい場合では身体機能が落ち、寝たきりや介護が必要になってくる場合があります。

実際に介護が必要になった原因の1割は骨折や転倒という報告もあります。

骨粗しょう症が高齢の方に多いのは、発症の一因に加齢による骨の量の変化があるためです。

骨量は成長期の10代にどんどん増えていき18歳ごろにピークになります。そこから40歳くらいまで一定になりますが、50歳代になると減少し始めています。

特に女性はこの年齢層になると、著しく減少してしまう方がいます。

これは閉経によって、骨からカルシウムがとけだすのを抑制する働きを持つ女性ホルモンの分泌が低下するためです。

女性に骨粗しょう症の割合が多い理由の一つです。

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骨量の減少を最小限に抑えるようにするには、骨量が高まる成長期にしっかりとカルシウムを摂り、また骨量が減少し始める50歳前後では定期的に骨密度の検査を受けて、自身の骨の様子を確認するとよいでしょう。

つまり骨粗しょう症の予防は高齢者だけではなく、若い方でも注意する必要があります。

若い世代に見られるやせ願望や過度なダイエットは栄養不足を招き、骨粗しょう症の原因になってしまうことがあるのです。




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