みなさん、こんにちは。
前回は骨の働きと骨粗しょう症がどんな病気かを簡単に説明しました。
今回は丈夫な骨づくりのための食事についてお話します。
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骨と骨粗しょう症
丈夫な骨づくりのための食事
では、骨を丈夫にするための食事について考えましょう。
骨といったらカルシウムと思うかもしれませんがカルシウムだけをとっても骨は強くなりません。
カルシウムも大切ですが、カルシウムを効率よく体に吸収していくために体に必要なエネルギーやたんぱく質が取れていることが大前提です。
なので、まずは1日に3回バランスの良い食事を摂ることが基本となります。
食事をきちんととったうえで、骨に良い栄養素を積極的にとっていきます。
バランスの良い食事とは、主食(ごはん・パン・麺類など)と主菜(肉・魚・卵・大豆製品など)、そして副菜(野菜・きのこ・海藻類など)がそろった食事のことです。
主食は炭水化物を多く含む食品で、体を動かすエネルギー源になります。
炭水化物を控えめにする方がいますが、炭水化物が不足すると体はたんぱく質をエネルギー源として利用してしまい、たんぱく質が本来の役割をはたせなくなってしまうので、適量の炭水化物をとるようにしましょう。
主菜から得られるたんぱく質は骨や筋肉を作る働きがあります。
骨の質に影響する成分であるコラーゲンはたんぱく質でできており、骨の強度を支えるのに重要な役割をはたします。
また、筋肉量を維持するためにもたんぱく質をとる必要があります。
毎食手のひらにのるくらいのたんぱく質をとっていきましょう。
副菜は野菜・きのこ・海藻類などのビタミン・ミネラルが豊富に含まれる食品からなり、主に体の調子を整えてくれます。
毎食1~2品は摂るようにしましょう。
次に、骨を作るのに必要な栄養素について紹介していきます。
骨粗しょう症の予防ガイドラインでは1日に700mgは摂るように勧められています。
カルシウムは骨の材料となる栄養素ですが、どんな食品にも含まれているというわけではないので、心がけてとらないと不足がちになります。
令和1年度の国民健康栄養調査によると、1日に50代では472mg、60代は536mg、70代は579mgと、若い人よりもしっかりとカルシウムをとっていることがわかります。
それでも、骨粗しょう症予防の推奨摂取量700mgには100~200mgほど足りていないのが現状です。
カルシウムを多く含む食品には乳製品、大豆製品、魚介類、野菜・海藻類があります。
この中でカルシウムの吸収率が最もよく、また含有量も多いのは乳製品です。
牛乳コップ1杯に220mg、スライスチーズ1枚に106mg、ヨーグルト100gに120mg程度含まれています。
ただし、チーズには塩分も多いので摂り過ぎには要注意です。
魚介類では、シシャモや鯖缶など骨まで食べることができる食品はカルシウムの含有量が高いです。
野菜や海藻類はカルシウムの含有量や吸収率はそれほど高くありませんが、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれるのでしっかり摂りたい食品です。